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産経新聞・片桐実央の起業相談

【片桐実央の起業相談】公的制度を活用してコロナ対策

  今回は創作料理店を経営する50代女性の相談内容をご紹介したいと思います。この女性は飲食業界の厨房(ちゅうぼう)で長年鍋を振るい、日本、フランス、中国とさまざまな国の料理を習得した後、独立。ランチは1500円、ディナーは4千円で提供しており、たっぷりの量とおいしさで多くのファンを獲得しました。しかし、新型コロナウイルスの影響で客足が減り、売り上げも減少してしまいました。


 この窮状を乗り切る支援策についてお話しします。コロナによって計画どおり事業が展開できていない方は多く、起業環境に大きな影響を与えています。このようなときこそ、公的な支援制度を役立てましょう。


 例えば、女性の場合は個人事業主です。売り上げが減少しているため、要件を満たせば、上限100万円の「持続化給付金」を申請して運転資金に充てることができます。また、コロナの影響で客足が戻らないとはいえ、固定費である家賃は出ていく一方。そんな悩みには「家賃支援給付金」があります。この制度を使うと個人事業主は最大300万円が支給されます。


 また今後、例えば、デリバリーを始めるためのチラシの作成や宅配用バイクを購入するなら、「小規模事業者持続化補助金」で、かかる費用が原則最大で100万円補助されます。


 さらに、デリバリーの注文を受けるために飲食店がアプリを作る場合や、従業員の勤怠管理をするITツールを導入するなら、最大450万円補助される「IT導入補助金」が利用可能です。また、従業員を雇用している場合は「雇用調整助成金」の申請を検討して、人件費の助成を受けるという手立てもあります。  公的支援制度は充実しており、その多くにはコロナ禍で特例が設けられたり、申請要件が緩和されたりしているので、積極的に情報収集をしていきましょう。

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