Q 定年後に、できれば起業したいと2、3年前から考えていましたが、これといって自分にできることを思い付きません。ただ、法人営業の経験が長いので、企業に商品を紹介するのは得意です。たまたまプリンター(複写機)を製造した友人がいて、とても良い商品なので、これを売ることで起業できればと思っています。
A 友人の会社はプリンターを、どのように企業に提供する予定でしょうか? 一般的には販売の他、月額制でのレンタルがあります。今回の事業は、「営業代行業」といわれるサービスで、商品の営業を代行し、売り上げの一部を紹介手数料としてもらうビジネスモデルです。
販売する場合は、売買代金のうちの一定金額を受け取ります。レンタルの場合は、一般的には例えば3カ月分のレンタル料、または月額料金のうち数パーセントを毎月いただくかのどちらかになります。
Q 営業代行業の注意点を教えてください。
A 個別に企業を訪問し、商品を紹介する機会を増やす方法もあります。一方でホームページを制作したり、広告を出したり、セミナーを企画開催したりすることもあります。
営業活動には、広告宣伝費や交通費などの経費がかかります。売り上げが決まったときだけ手数料をもらう、完全成功報酬という形態では資金繰りが厳しいです。前金として着手金をもらう方法や、営業活動費として毎月一定額をもらう方法も検討しましょう。
また、売買契約が成立したかどうか把握しづらいときもあります。紹介手数料の額をしっかり管理するために、依頼主との話し合いが必要です。例えば今回の場合は、プリンターの納品を管理するため、後日納品先を訪問したり、依頼主から納品先リストを毎月提出してもらうといった工夫をしましょう。
さらに、営業代行のために、依頼主から名刺やパンフレットなどの営業ツールを支給してもらうと活動しやすいです。将来的には、営業代行する商材をさらに増やす方法も検討し、売り上げを安定させましょう。