Q 2年前に個人事業主として起業し、海外向けに着物地の服やストール、帯地バッグなどを製造販売しています。縫製は主婦の方に内職でやってもらっています。売り上げも上がり実績もできたので、いよいよ欧州の展示会出展を考えていた矢先、縫製内職者の離職が相次ぎました。工場へ外注を考えていますが、あてがありません。
A 近隣の工場をあたるほか、インターネットや展示会で探す方法があります。アパレル業界の展示会では、縫製工場が多数出展しています。出展する場合は小間料(出展料)がかかりますが、来場者の参加費は無料です。
Q 工場数社に問い合わせましたが、引き受け先がなく困っています。もともと主婦なので、趣味の延長のように思われているようです。
A まず、取引先への信用を得る必要があります。支払い能力▽継続性▽納品した商品に満足してもらえるのか-など、工場側の不安を払拭するため、次のように信用力を高める工夫をしましょう。
(1)法人化する…個人事業主ですと、開業廃業の手続きが簡単なため、継続的な取引ができるか相手方が不安になるかもしれません。株式会社か合同会社を設立しましょう。海外への輸出が主な場合は、海外で一般的な合同会社がお勧めです。また、名刺や会社案内を制作し、紙媒体で相手方の手元に残るものを制作しましょう。見栄えを整えることも大切です。
(2)実績と販売を伝える…初めての取引は工場側にとって、打ち合わせなどの労力がかかり、利益が上がりません。一方、継続的な取引は、利益率も向上し、安定収入につながります。過去の販売実績や今後のイベント、販売計画を伝え、継続的な取引に向けた意気込みを伝えましょう。
(3)経営理念・創業理由を伝える…起業したばかりの会社が信頼を得るには、経営理念や創業理由に共感してもらうことも大切です。志を同じくする取引先を探し、伝統工芸である着物を、世界へ発信したいという気持ちをあなたの言葉で伝えてください。