「起業に関心はあるけれど、どんな事業をやればよいか…」。ある男性(52)から、こんなご相談を受けました。こうした方に私はいつも、自分が「できること」か「やりたいこと」を基に、起業アイデアを考えることをお勧めしています。今回は、6月に刊行した拙書「50歳からの人生がもっと楽しくなる仕事カタログ」(マガジンハウス)でもご紹介した起業アイデアを見つけるヒントをお伝えします。
このコラムでお勧めしている「ゆる起業」は楽しみややりがいがあり、無理なく稼ぐという起業スタイル。まずは「できること(得意分野)」や「やりたいこと(希望や夢)」から、起業できそうな仕事を考えてみましょう。
「できること」から見つける仕事は、大きく3パターンに分かれます。(1)知見-これまでの実務経験や個人的に学んだことを基に、企業や個人にアドバイスを行う、コンサルタントやアドバイザーなど。起業資金もそれほど必要ありません。(2)技術(スキル)-前職での専門技術や能力、趣味や習い事などで得た技能を活用。ホームページ制作や各種教室を開くなどの例があります。(3)人脈-前職や趣味などで培った人脈を生かし、その人たちのニーズに応える商品・サービスを扱います。トラブル防止のため、元の会社とバッティングする商品・サービスは避けましょう。
「やりたいこと」の場合も3つ。(1)物販-自身の知識やこだわりのあるもの、つまり目利きになれる分野の商品を販売します。例えばオーディオ機器の輸入販売で起業された方がいます。(2)サービス提供-社会のニーズに合ったサービスを提供します。例としては、高齢者を対象とした個人宅への訪問理美容サービスなどが考えられます。(3)場所や機会の提供-婚活支援や異業種交流会の開催など、人と人をつなぐ機会をつくることをビジネスにする起業も人気です。
「できること」と「やりたいこと」を明確にするために、これまでのご自身のキャリアや、これからの希望を書き出してみましょう。
男性はまず、これまでの仕事で培った経験や人脈などを書き出し、“キャリアの棚卸し”をすることにしたそうです。