50歳からの起業で、セミナー講師として全国で講演活動をしたいという方はたくさんいらっしゃいます。今日は講師業で起業する方法についてお伝えします。
まず講師として自信が無い方は、経験を積んで立ち振る舞いを勉強しましょう。例えば、仲間内の勉強会で教え合う。同業他社のセミナーを聞いてみるのもお勧めです。講師のプロフィルを作り、講演している写真を多めに撮っておくと、あとで集客用のチラシやホームページに使うことができます。
また、他社からの講演依頼を待つだけでなく、自社でセミナーを主催し講演実績を高めましょう。セミナーを開催するときは、集客に影響するので開催日程と場所は慎重に検討しましょう。定員も最初は少なめにして講師と受講生の距離感が近い方が、受講生の疑問や知りたいことがじかに伝わるので勉強になります。
実績ができたら、講師派遣をするサイトに登録し、講師として紹介してもらいましょう。講演が決まったら、講師派遣会社経由で仕事をもらう流れになります。社会的な課題やテーマと関連付けると、講演の声がかかりやすくなります。
そうは言っても講師業だけで食べていくことができる人はごく少数です。セミナーは新規顧客を獲得するきっかけづくりにし、セミナー後に次の商材を営業できるようにしましょう。
そのためには、セミナー開催前から念入りな準備が必要です。受講生に小冊子や著書をセミナーで渡し、専門家としてのブランディングをする方もいます。また、アンケートを配布して参加者が求めているサービスをヒアリングし、個別に電話で営業する人も多いです。
講師業で活躍されている方を紹介します。大极(おおなぎ)勝さん(59)は、早期退職し、ムービングオフィス(東京都中央区)を設立しました。起業のきっかけは、前職である婦人服販売の経験をもとに、接客・販売業に携わる人に、仕事の楽しさや喜びを伝えたいという思いです。現在、大极さんは大学の非常勤講師や、様々な企業から講演依頼を受けています。
婦人服会社で培ってきた経験から身だしなみの大切さを熱く語る大さん。身だしなみを整えると、身が引き締まり組織の生産性向上につながり、売り上げアップにもつながると言います。講師活動、セミナー活動、執筆活動と様々な分野で活躍してきたポイントは大きく2つあるそうです。
1つ目は「いろいろな人に会い人間関係のつながりをつくること」です。20代の頃から大ナギさんは様々な活動に積極的に参加していたそうで、そのつながりで仕事が舞い込むとおっしゃっていました。
2つ目に「チャンスをつかめるよういつでも準備しておくこと」です。創業当初、大极さんは小売業についての講演や執筆活動を中心に行っていたそうですが、初めての著書をきっかけにコミュニケーションについての講演をしてほしいと依頼があったそうです。
今でも「このテーマについてお話しいただくことはできますか?」と聞かれるそうですが、そのたびにチャンスに対する準備は怠らないようにしているとおっしゃっていました。
身だしなみについて講演するようになったら、PTAからの依頼も来るようになり、今では大人だけでなく子供たちにも教えています。今後は講演を動画配信して多くの人に伝え、身だしなみを通してもっと世の中をより良くしたいとおっしゃっていました。
(銀座セカンドライフ社長 片桐実央)