早いもので2015年もまもなく終わり、新しい年を迎えようとしています。定年起業に挑戦しようとしている人、あるいは挑戦をはじめている人に向けて、この1年間のシニア起業の流れについて感じたことを述べさせてください。
わたしはずっとシニア起業についての相談を受け、サポートさせていただく事業を行ってきて、行政の委託なども受けて動いてきましたが、ほんとうに今年はシニア起業希望者が増えたなあ、というのが偽らざる気持ちです。自分が起業した7年前は「シニア起業をサポートします」というと、「え?」「起業って若い人のためのものでしょう?」という反応が多かったことを考えると信じられない思いです。
それを促進している大きな理由のひとつは、行政の起業支援サービスがますます拡充してきたことにあると思います。シニア対象の補助金、起業セミナー、専門家派遣、創業スクール、ビジネスプランコンテストなどが近年ほんとうに増えました。
次に、今年シニア起業希望者から受けた相談についての傾向をまとめてみます。ひとつは、漠然としたアイデアベースの起業相談が増えたことです。もちろんアイデアを練るのは素晴らしいことで、起業に向けて踏み出している姿勢は評価できます。あとは具体的な事業プランを作成することですね。
もうひとつ多かったのは、わが国の抱える問題、たとえば地方創生、高齢化、外国人観光客への対応などを解決するようなサービスのアイデアを考えているという相談です。これも素晴らしいことですね。新年度はみなさんもシニア起業を検討してみませんか? (取材・構成:藤木俊明)