この春、心の通った見守りサービス事業をはじめたいと、岡田喜美子さん(66)からビジネスプランの相談を受けました。とても意義のある事業ですし、創業補助金の公募にも間に合うので、応募を勧めたところ見事に採択され、岡田さんは今年6月にコミュニケーションパートナー株式会社を設立しました。
「高齢者の見守りについては、大手企業がいろいろなサービスを展開していますね。しかし、ほんとうに血の通った見守りサービスになっているのだろうか? という疑問をいだいたのです」(岡田さん)
岡田さんの考える見守りサービスは、アクティブシニアが担当になり、毎朝、会員の高齢者の方に電話をかけ、話をするものです。決まった方からお電話がくるのは安心ですね。なぜアクティブシニアが担当するかというと、シニアの気持ちはシニアが理解しやすいからです。話をすることにより、相手の声の調子がわかります。「ひょっとしてお風邪でも…?」などとコミュニケーションをとるのだそうです。
「高齢者にとって大切なのは『会話』です。機械やシステムの一方的な見守りより、生活をいきいきさせる『会話』が必要なんですよ」
岡田さんがイメージする利用者像は、親御さんが遠方に住んでいるなどの事情で、なかなかその様子を確認できずに悩んでいる人とのことです。「それだけでなく、高齢になって話し相手が少なくなった、心配事を話せる人が少ない人などにも利用していただきたいと思います」
岡田さんは、サービスの開始に向けて多忙な日々です。 (取材・構成:藤木俊明)