「今のオーディオシステムには大きな欠陥があることがわかりました。ニュートンの運動の第二法則を無視していることに気がついたのです。それを改善すれば、理想のいい音になるはずでDSP(デジタルシグナルプロセッサー)を駆使して何台も試作機を作ってきました(高橋さん)」
高橋さんは、そもそも大手の機械メーカー子会社に勤務していましたが、自分でプログラムを書くことが好きで、それを仕事にしたいと30代で個人事業を始めました。そういう意味ではすでに起業を経験しているのですね。ちょうど、仕事にデジタルが本格的に組み入れられる時期で、ずいぶんな収入になったとのことです。
「結婚して間もない頃なのに自分でやり始めたので、女房にはあきれられました。しかし、その後収入が2倍、3倍に増えましたから(笑)」
現在、高橋さんは新人プログラマー向けの講師などを続けています。しかし、この、新しいオーディオシステムの技術を世に問いたくて、新たな起業準備をはじめました。高橋さんのオーディオシステムには大型のスピーカーが必要になるので、興味のあるメーカーさんと組みたいとのことです。
「世の中の人たちに、本物のもっといい音を聞かせてあげたいという一心ですよ」 (取材・構成:藤木俊明)