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夕刊フジ・定年起業への挑戦

【定年起業への挑戦】縁がないと思うなかれ、3人に1人が60代 まずは「ゆる起業」

 今年、いよいよ会社を定年退職するという方もいらっしゃるでしょう。定年後の再雇用を選ぶ人も多いでしょうが、収入が2分の1、あるいは3分の1になってしまうこともあります。そうした場合、自分のモチベーションを維持するのも大変ですね。

 他の選択肢としては再就職、そして起業です。再就職の道が、いかに大変かは説明するまでもないでしょう。とはいえ、起業という言葉がピンとこない人も少なくないでしょう。「なんだかリスキーだな」「自分には縁がないね」といった具合です。

 ところが、60代の人の起業は年々増えているのです。中小企業庁の2014年版中小企業白書によると、1979年時点では60代の起業は全体の7%にしか過ぎなかったのですが、12年には32・4%と、起業家の3人に1人が60代になっています。つまり、60歳を超えての起業は珍しいことではないのです。

 このお正月、今後のことをゆっくり考えるときに、起業という言葉が頭に浮かんだら、「ゆる起業」というキーワードも一緒に思い浮かべてください。これは、私が多くの定年起業を行った方たちとお話ししてきたなかで作った言葉です。ここで「ゆる起業」の5原則を述べますので参考にしてください。

 (1)楽しいと思える仕事をする(2)やりがい、生きがいを感じる仕事を選ぶ(3)得意分野の仕事をする(4)投資はできる限り抑え、利益を追求しない(5)健康が一番。

 定年になったら引退し、趣味の世界に生きようと思っている方は少数派ではないでしょうか。年金プラスアルファの収入を確保したい、社会の中に居場所を持って人の役に立ちたい、自己実現をしたいという思いの人は多いでしょう。

 もちろん「ゆる起業」といっても「いい加減な起業でいい」ということではありません。でも、私はあまり起業というものを堅苦しく考える必要もないと思っています。 (取材・構成:藤木俊明)

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