日本市場にとらわれず、海外市場に向けて、自分のやりたかったビジネスにチャレンジしたいという方もいるでしょう。普通の主婦だった大場多美子さん(59)も現在、日本とインドを結ぶ事業に力を注いでいます。
大場さんは鎌倉で学生時代を過ごし、結婚し、主婦をしていました。主婦業のかたわら、カラーリングに興味を持ち、その勉強のために海外に出かけたのがきっかけで、インドとの関わりができたそうです。
大場さんは、インドが明治時代から日本と深いつながりを持っていたことを改めて知り、両国の架け橋になるような仕事ができないかと考えました。11年前のことです。
「文化と経済の両面で日印を結ぶ、というのが自分の大きなテーマになりました。昨年は『日印女子会』というグループを立ち上げて、フェイスブックなどで情報発信を始めています」
大場さんは横浜市と姉妹都市であるムンバイ市の友好イベントとして10年間続いている『ディワリ・イン・ヨコハマ』にも、立ち上げ時から実行委員として協力しています(今年は10月18-19日。横浜・山下公園で開催)。
「文化的な交流だけでなく、日印女子会から、『アプナグループ』というビジネス支援グループを立ち上げて、日印のビジネス交流のお手伝いに力を入れていきます」
大場さんの経済活動のパートナーは、横浜生まれのインド人、サニー・チャディラマニさん。チャディラマニさんの会社は日本の商品をインド市場で通販するシステムを持っており、大場さんはそのサポートをしています。「インドで販売したい商材をお持ちの方はぜひ相談してください」とのことです。
大場さんは大きなテーマに自分一人で向かうのではなく、心強いビジネスパートナーを見つけました。ビジネスの可能性を広げるために、アライアンスを組める相手を見つけることも、定年起業にチャレンジする人には大切なことだと思います。 (取材・構成:藤木俊明)