今年3月まで連載した「定年起業のススメ」から一歩踏み込み、「定年起業への挑戦」を今回から新連載します。オレンジ世代の皆さん、とくにサラリーマンの皆さんにとって、「定年起業」はとても重要なテーマだからです。
サラリーマンの皆さんは、定年後にどういうビジョンを描かれていますか? 悠々自適で趣味に生きる、と考えている人はとても恵まれています。多くの人は年金や退職金だけでは厳しく、さらに収入が必要というのが現実ではないでしょうか?
弊社(銀座セカンドライフ)は50-60代の起業サポートをしていますが、金銭的に余裕のある方でも仕事を辞めて毎日家でゴロゴロして過ごすのはつらく、「定年後も働き続けたい、社会との繋がりがほしい」と語ります。しかし、現実にはいい条件の再就職はなかなかありませんし、「もう人に使われたくない」という方もいます。
そこで、皆さんが考えるのが「起業」。しかも、一か八かの起業ではなく、自分の好きな仕事で起業し、無理せず、適度な収入を得るための起業です。これを私は、『ゆる起業』と名付けました。実際、こうした形でうまく起業している方も大勢いらっしゃいます。
『ゆる起業』の5原則は(1)楽しい(2)やりがい(3)得意(4)利益を追求しない(5)健康第一です。ただし、“ゆるい”が語源の『ゆる起業』でも、やはり計画性は必要ですし、公的支援などのサポートは、できるだけ受けたほうがいいと思います。
また、定年退職した後に起業を考えるのではなく、できれば会社に在籍時から少しずつ準備をするほうがいいでしょう。すぐにできる準備としては、「3つの円」を書いてみることです。1つ目の円には「やりたいこと」。2つ目の円は「できること」そして、3つ目の円には「お金になるか」、つまり市場性があるかどうかを書き込みます。この3つの円が重なったところを自分のビジネスにできないか考えてみてください。50-60代の方は経験も豊富です。きっと何か見つかると思います。 (取材・構成 藤木俊明)