わたし(片桐)は、銀座セカンドライフの会員と毎日お会いしていますが、みなさん、実年齢より若く見える方が多い気がします。これはお世辞ではありません。仕事をずっと続けたいという前向きなオーラが出ているためなのかな、と思います。
今回、紹介する藤瀬敏幸さん(62)も本当に若々しく、しかもおしゃれです。藤瀬さんは、ずっとアパレル業界にいたので、そういうセンスを磨いたのでしょう。ヨーロッパの有名ファッションブランドの仕事に長く務め、イタリア系のコーヒーメーカーに移り、昨年11月半ばに退職しました。
しかし、藤瀬さんは「リタイアしようなんて気はさらさらない。70歳まで働く」と意気軒高です。ブランディング・コンサルタントとして独立し、仕事を請け負う道を選びました。
「自分はマーケティング畑でずっと過ごしてきました。とくに、ヨーロッパのブランド関連の仕事を25年以上やってきたので、ヨーロッパの歴史や文化についてはかなり理解しているつもりです。また、製品の販路の作り方もわかっているつもりです。そして、ここはとくに言いたいのですが、私にはヨーロッパの担当者とのネットワークがあります。それらのノウハウやスキルを生かせば独立してもやっていけるのでは、と考えました」(藤瀬さん)
藤瀬さんの屋号は「オフィスF&A」。Fはファンクション、Aはアソシエイションを表すそうです。現在、4社ほど定期的に付き合いのある顧客がいるうえ、マーケティングの講師などとしても活躍中です。
「自分でやってきたことを世の中に還元していきたいという気持ちが大きかったのです。独立してみるとストレスが激減して、ひどかった肩こりもなくなりました」
藤瀬さんは長年、地域の子供たちにサッカーを教えているそうです。また、自身もキックボクシングを習っているという。ストレスから解放され、自分のスキルを生かした仕事を続けている。地元に貢献したり、スポーツにも関わっている-。藤瀬さんが若く見えるのは、そういう充実した生活や時間が影響しているのかもしれません。 (取材・構成 藤木俊明)