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夕刊フジ・定年起業への挑戦

デジタル事業動画配信 技術畑の部下と独立 契約書面は慎重に

印刷会社の営業部長として活躍していた畑迫勉さん(56)は、デジタル分野への取り組みを強化すべきだと考え、デジタルパンフレットの制作などの事業を行いたいと会社に進言しました。しかし、うまく進まず、技術的なことに詳しい部下と独立を決意しました。

そうして立ち上げたのが株式会社デジタルキッス(http://digitalkiss.jp/)です。

「最初は自分のやりたいことを思う存分やってみたいという気持ちだったのですが、起業が現実的になると、本当にやっていけるのかどうかの不安との戦いでしたね」(畑迫さん)

シニア起業をサポートする「銀座セカンドライフ」(http://ginzasecondlife.co.jp/、(電)03・3545・1765)の会員になった畑迫さんは、同社代表の片桐実央さんと事業計画を詰めました。

片桐さんは「固定費負担が重くなるので、なるべく人は雇用しないほうがいいのでは」とアドバイスしましたが、畑迫さんは元部下に技術的な部分を担当してもらい、自分は営業に回ることを考えていました。そこで、雇用助成金を受けて当座の負担を軽くしようと決定しました。その手続きは片桐さんが全面的にサポートしました。

新会社は畑迫さんの予想通り厳しい船出となりました。しかし、畑迫さんはこれまで営業経験を生かし、毎日5-6件の飛び込み営業を続けました。その結果、次第に定期的な仕事も請けられるようになってきました。とくに最近は、動画配信のニーズが高いことを知り、事業内容もライブストリーミングなどの動画配信にシフトしました。しかし、まだ整備すべき課題があったのです。

「畑迫さんのようなお仕事にはきちんとした契約書が必要です、とアドバイスしました」(片桐さん)

筆者(藤木)も仕事としてデジタルコンテンツの制作を行っていますが、デジタルの仕事は契約があいまいなことが多く、トラブルになることが少なくありません。片桐さんのアドバイスはポイントをついています。片桐さんによると、契約書面の作成などのサポートはすべて銀座セカンドライフが代行したそうです。

事業が軌道に乗り始めた畑迫さんは、現在の心境を次のように語っています。

「正直、起業してよかったと思えるかどうか、まだ分からないです。これから、というところですね。それでもあえて言わせてもらえば、やりたい時がやる時だと思います。(シニア企業は)夢がある限り、年齢なんて関係ないと思います」

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