本連載でも取り上げたが、この4月より「改正高年齢者雇用安定法(70歳就業機会確保法)」が施行される。大まかにおさらいすると、従業員の定年を70歳まで引き上げるか定年制自体を廃止すること、または業務委託契約、社会貢献事業への従事など、従業員が70歳まで働くための選択の幅を広げることを事業主に求めるものだ。努力義務の段階だが、事業主である企業側はどう考えているのだろうか。
一般社団法人定年後研究所が発表した「企業と中高年社員の新しい関係構築に向けて 報告書」(2020年12月)には掲載されている企業人事担当のコメントを見ると、『現時点では具体的方策は未定』など検討中・未定とするものが散見され、法改正への対応は模索中のところが多そうだ。中には、新型コロナの経営的ダメージを受けた中で、さらなるコスト増を危惧する声もある。
しかし、今回の法改正は、政府が企業と従業員両方に「70歳まで働く人生設計」を求めるものであることは疑いようがない。そうすると、現在50代から60代前半の会社員は、65歳以降の人生について再デザインを求められる。意識変革が必要だ。
同リポートにヒントになる言葉があったので引用して紹介する。『会社員が50代になったら将来の「自走人生」のための準備を始めよう』(定年後研究所)というものだ。