コロナ禍でテレワークが推奨される影響なのか、東京都から近隣自治体に住民が転出する動きが目立つという。近隣自治体では転入者が増え、この1月、埼玉県は全国一の転入者数と報じられた。理由については、色々な分析が可能だろうが、ここでは埼玉に移住・起業する人への支援策に注目してみたい。
以前本連載でも報じたように、埼玉県には県内対象地域9市町村(秩父市など)で地域課題を解決しようという起業者に対し、上限200万円の「起業支援金」(補助率2分の1)が支援される。
今回、それに加えて埼玉県の「移住支援金」にも注目したい。東京23区内に在住または東京圏に在住し、東京23区に通勤をしていた人が、前述の埼玉県内対象9市町村へ移住した場合が対象となり(対象となる要件にはいくつのかのパターンがある)、世帯で移住した場合100万円、単身で移住した場合は60万円が支給されるものだ。
埼玉県担当者に話を聞くと、この2つの支援金は「両取り」が可能だ。例えば埼玉県の対象地域に移住し、同地で起業した場合、最高で300万円の支援金を受け取れる。詳細条件は埼玉県ホームページで確認されたい。
しかし、令和2年度もそろそろ終わりだ。次年度もこれらの制度は継続するのか? 県担当者に聞くと、基本的には同様の制度は予定しており、詳細は予算確定後に発表するという。よりコロナ禍の実情に沿ったものになるようだ。また、起業前提の移住を考えているのなら、まず「創業・ベンチャー支援センター埼玉」で起業相談を行うのが良いとのことだ。興味のある読者は埼玉県ホームページ「住むなら埼玉!」移住・定住情報をチェックするといい。(取材・構成 藤木俊明)