定年前に副業をはじめたいというシニア世代は多い。夕刊フジ定年起業応援サロンでも副業セミナーを開いたが、参加者全員が興味津々であった。しかし、まだ定年前で会社に勤務している参加者に聞くと、やってみたいが会社が副業を禁じていると言う。
同セミナーでも紹介されたが、副業として問題にされにくいものが、「不要品販売」である。たとえば、地域のフリーマーケットで自宅の不要品を販売してもまず会社には問題にされないだろう。そこでフリマアプリを活用したい。
今さらだが、フリマアプリとは主にスマートフォンを使い、ネット上でフリーマーケットのように個人同士が物を売買するもので、手軽さがうけているのはご存じの通り。
自宅の不要品を処分しようとリサイクルショップに持ち込む人も多いだろうが、あまり値段の期待はできない。しかし、フリマのように不特定多数相手に出品した場合、自分にとっては不要品のはずが思わぬ引き合いがあることも少なくない。ネットを介して見知らぬ相手との取引体験は新鮮なはずだ。
そんなフリマアプリの大手であるメルカリが昨年11月に発表したところによると、メルカリに50・60代が出品するカテゴリーの1位は「レコード」で2位「美術品」、3位「ゴルフ(用品)」と続く。また、メルカリで50・60代が購入する品のカテゴリーの1位は「ゴルフ(用品)」、2位は「美術品」、3位「オートバイアクセサリー」とされている。もちろん出品すれば売れるというものではない。同調査によると、取引成立率は50・60代男性で約37%だ。
元手もいらず、手をつけやすい上、会社で問題とされにくい副業の第一歩としてフリマを紹介したが、自分の終活にも不要品処分は必須だ。ただ捨てるより必要な人に活用してもらうことが望ましいだろう。(取材・構成 藤木俊明)