定年後の働き方のひとつが「新現役」として中小企業の支援を行うことだ。新現役交流会(金融機関主催の地場中小企業とのお見合いの場)については本欄でも紹介してきたが、完全なボランティアではなく時給5000円程度の報酬と交通費が訪問3回まで国から支給される。その後、支援企業と改めて顧問契約を結ぶこともある。
ただ、ボランティアではないというものの、「中小企業のために」というボランティア精神は求められる。
実際に新現役として交流会に参加し支援経験もある夕刊フジ定年起業応援サロン参加者の海老名要一さん(65)は、「自分の会社員時代の知見がお役に立て喜んでもらえるのはうれしいものです」と語る。
しかしその参加手続きは少しわかりにくいので、簡単に説明する。まず、前提として関東経済産業局のホームページでマネジメントメンター(新現役とほぼ同義)登録を行う。登録条件を満たしていれば、登録後、新現役交流会の開催日程と参加企業の資料、申込書が送られてくる。
交流会の案内を検討し、「ぜひこの企業と面談したい」と参加を申し込むと、「当日はこの企業と面談してください」と主催者より連絡が来る。交流会当日は企業と20分程度面談し、その後、お互いに「もう一度面談するかどうか」の確認がなされる。
両者の意思が合えば二次面談へと進み(ここまでは無報酬)、合意すれば新現役として最高3回の支援を行う。支援のたびに派遣依頼や報告書作成などをネット上の業務管理システムで行い、その確認によって報酬が支払われる。
海老名さんによると「これらの手続きはネットで行うので、ある程度のパソコンスキルとネット環境は必要」とのことだ。「そうはいっても参加のハードルが高い」という声も聞く。交流会を活用するポイントについては、今後いろんな角度で取材していきたい。 (取材・構成 藤木俊明)