高橋康和(やすかず)さん(52)は長くアパレル業界で活躍していました。しかし48歳の頃、この先自分の活躍場所がなくなると感じ、個人事業主を支援するハウスクリーニングのフランチャイズ会社に転職しました。オーナーに気に入られ、代表取締役として会社を動かすようになりますが、やはりオーナーの権力は強く、自分の思うようにはできなかったと高橋さんは話します。
「社長になると会社のいろんな面が見えてしまいますね。しかし、人を指導し個人事業主としてやっていけるように支援するのは得がたい経験でした」(高橋さん)
50歳を過ぎて独立を考えた高橋さんは1年間の準備を経て、2015年10月に合同会社UPP-tone Company(http://www.upp-tone.com/)を設立します。
「事業のメーンはITに関する人材マッチングです。IT関連の人材はどこでも不足しており、独自のルートで発掘した人材を、必要な企業に送り込むのです」
高橋さんは「マッチング」と「仕組み作り」が大切で、その組み合わせによる事業は人材紹介に限らないと語ります。
たとえば、いま民泊が注目されていますが、部屋のアフターケアなど周辺にはいろんなビジネスの可能性があり、前職で培ったクリーニング関連の人脈を生かせると考えているようです。人脈の中から向いた人をマッチングし、お金の流れができるように仕組み作りをするということで、これが高橋さんの得意なところなのですね。
「独立して自分の思うとおり企画を進めることができ、やりがいがあります。初めての決算ですが、何とかプラマイゼロにしたいですね」 (取材・構成:藤木俊明)