上水樽さんは55歳になり、独立を決意します。
「会社についてはいい思い出しかありません。辞めなくてもずっといられたでしょう。しかし九州で暮らす親の面倒を見たいこと、また自分が抜けることにより後進にもっとチャンスを与えたいこと、そして自分は70歳、いや75歳まで働きたくて元気なうちに再スタートしたいと思ったことがあります」(上水樽さん)
上水樽さんは2015年4月、合同会社オフィスTARU(http://office-taru.co.jp/)を設立します。前職で培ったジュエリーの企画販売がメーンですが、注力しているのは、生まれてくるお孫さんへの贈り物としてのジュエリー提案です。
サラリーマン時代と違うことは、「自分を律すること」と上水樽さんは言います。
「自宅で仕事をするのはなかなか自分を律しきれませんね。やはり毎日出かける習慣、業務や商談を行う『場』があった方がいいのではないでしょうか」
お孫さんが生誕したときに宝石をプレゼントし、成人したときに感謝してもらう企画提案はお客さまに喜ばれ、事業として形になりつつあるとのことです。 (取材・構成:藤木俊明)