北田淳(きただ・あつし)氏(59)=写真=は、メーカーで電解水の開発を担当していたが30代の時会社が傾く。会社を移った後56歳の時に起業を決意しシエスタリア合同会社を設立した。北田氏にこれからの事業計画を語ってもらう。
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自分は電解水のプロとして仕事をしてきました。最初の会社が傾き、移った先でも納得できないことがあり、50代も半ばを過ぎればもうどこかに転職と言うことも難しい。そこで前から温めていたアイデアをもとに事業を興すことに決めたのです。それは女性向けエスプレッソマシンの事業です。カプセル式コーヒーの市場規模は世界でおおよそ1兆2千億円に達すると言われています。その市場では大手が競争を行っています。コーヒーを飲む習慣は男性の8割に達すると言われていますが、女性では3割しかいません。女性市場は未開拓に近いのです。この市場にエスプレッソマシンを使うシーンを創出できないかと考えました。
コーヒーに限りません。お茶やハーブ、ドライフルーツなど女性の好みそうな材料をカプセル型飲料にして、エスプレッソマシンで飲めるように提供するのです。また、発生するスチームがアロマのような良い香りを発散します。
このアイデアに協力してくる会社が現われ、製品の開発資金はそれでまかなえました。また、お付き合いのあるメーカーにも倉庫を使わせてもらうことができ、カプセル式飲料はイタリアの契約農園が提供してくれることになりました。
このマシンにイタリア語の“そよ風”を意味する『BREZZA(ブレッザ)』と名付け2014年12月に販売を開始しました。中国・天津から引き合いがあり商談を進めています。順調にいけば2017年には中国で2億円、日本では5千万円の売上を達成したいと思います。その後日本での売上をもっと伸ばし、日本でも2億円の売上に持っていきたいのです。
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中国での展開が先んじた北田氏の事業。後編は求める提携先を聞く。(藤木俊明)
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