佐賀県の特産品である有田焼を多くの人々に親しんでもらおうと、地域活性事業を展開するのは、青山プロジェクト・YKA(東京都中央区)の青柳恵美子社長だ。
有田焼を販売するECサイト「和もの店wa・ka」を運営する青柳氏は現在、ブランドキャラクターと有田焼のコラボ商品の開発をプロデュースしている。人気陶芸作家と協力して、サンリオや花王で培った商品開発や販売、広告制作などの経験を活かしさまざまな商品を世に送り出している。
青柳氏にとって、有田焼は、幼少期の頃に父親がお土産で買ってきてくれた思い出深い品の一つだ。
それをビジネスにしようと考えたきっかけは2011年2月、有田焼の猫のひな人形「猫雛」の可愛さと豊富なバリエーションに一目惚れし、一緒に商品を製作したことだ。―良い商品を見るだけではなく、実際に自分で作ってみる―と青柳氏はかつて花王の研究所で学んだこの言葉を実践し、職人のもとに3週間泊まりこんで猫の有田焼を作った。
粘土の配合比率や焼き入れなど、作業は深夜にまで及ぶことも多く、初心者の青柳氏は身をもって有田焼の難しさを知った。また、職人によって制作方法や粘土選び、置き方のこだわりがあり、同じ白磁でも多様な風合いが生まれていることを知り、ますます有田焼の魅力に惹きこまれていった。こうして自分が感じた有田焼の魅力を多くの人に伝え、購入してもらえるような商品作りを目指し、2011年5月に青山プロジェクトYKAを起業。ECサイトの運営継続のため、ITに特化した若手社員の採用も検討している。