気象情報分析・予測を行うスカイデータ(東京都中央区)の今野忠雄社長は気象予報士歴30年超のベテランだ。専門知識を生かし、関連事業者の業務支援を多々手掛けてきた。
大学卒業後は気象情報分析を行う企業へ就職。45歳で独立し同業の会社を9年経営した後、機械メーカーに入社し新規事業の気象環境事業部で配属された6年後、定年退職を迎えた。これを機に再度、専門知識を生かしたコンサル業務で起業する道を選んだ。
現在、気象予報士が行う気象情報の分析・予測は、ビッグデータ技術の登場で、より緻密で精度高い分析が可能になっている。同社は、公共事業の下水道設備の維持メンテナンスで保守工事の優先順位をつけられるように、独自の気象情報分析ノウハウを提供して業務支援を行っている。
地盤深くに埋められた下水道配管設備は、天候の変化や降雨量、気温の度合いなどによって徐々に劣化し、補修が必要になる。長期間蓄積された天候データを分析し、これらの箇所をピンポイントで予測できるのが同社の強みだ。また、この解析技術はメーカーや小売店が商品の出荷や販売促進の計画を立てるのにも役立つ。例えば、エアコンやおでんなど、売れ行きが天候に左右される商品にはこの専門分析が大きな役割を果たす。
気象情報の分析・予測業務や情報配信の市場は90年代以降拡大を続け、現在では300億円規模になる。国内だけでも約40社が競合しているため、仕事を確保するのも簡単ではないが、今野氏の30年に渡る業界での実績が信頼確保に繋がっている。
「今後は、若手予報士の活躍機会創出を行い、優秀な後進の育成をしたいと思っています」