今年創業95年目となる老舗企業の3代目社長が、新規事業をひっさげて世界に広がるマーケットに踏み入れようとしている。それが谷貝鐵工所(千葉県白井市)の谷貝忠社長だ。
現在同社では蓄光剤を使用した光る表札パネル「蓄光・集光パネル」を独自に開発し、国内外の品評会で数多くの企業から注目を浴びている。
創業当初はナットやボトルなどの製造を行う、まさしく鐵工所だった。忠社長も家業を継ぐべく、大学卒業後の1972年に入社し、尽力していた。入社当時はNC工作機械(数値によってコントロールされる工作機械・制御装置)を地域に先駆けて逸早く取り入れ、業績を拡大。しかし長きにわたる経営の中で、景気停滞や2度に渡るオイルショックの煽りを受け、徐々に経営は冷え込んでいってしまったという。
平成に入ると忠社長は現職に就き、経営を担うようになっていた。そんな中、転機となったのは2004年。ふと目にした新聞の記事だった。内容は大阪の蓄光剤メーカーが大手商社と資本提携を行ったというもの。目に留まった理由は、その会社が新しい蓄光剤製造方法の開発を行っていたからである。当時同社は、既存事業に変わる新たな事業として彫刻表札、似顔絵プレートの製造を独自に行っており、蓄光剤と組み合わせることにより、新しい商品を生み出せると考えたのである。
相手企業から蓄光剤を提供してもらい独自に開発をした結果、十分な発光性と10年以上の耐用性を持つ、独自の新技術が生まれたのである。
「国内をはじめ、インドやアブダビなどの技術評議会で発表したところ、数百の企業に関心を持っていただきました。当社にとって未知の事業ですが、世界的に次世代エネルギーへの関心が高まり、その市場の可能性に胸が高鳴っています」
現在この新技術に対し特許を出願中。64歳、忠社長の新規事業が大きな実を結ぶのは、まだこれからだ。
つきしま工房・合資会社谷貝鐵工所 代表取締役 谷貝 忠 様のインタビュー
省エネ・防災パネルの新技術 世界数百の企業から関心の声
つきしま工房・合資会社谷貝鐵工所
代表取締役 谷貝 忠 様
世界的に次世代エネルギーへの関心が高まり、その市場の可能性に胸が高鳴っています
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