――大企業やベンチャー企業に勤めていた経歴もあるということですが、なぜ起業しようと思いましたか?
ベンチャー企業の役員として特許事務所の方とのコミュニケーションをしていた時、先方が誠実に対応してくださっていたにもかかわらず、こちらの考えを十分に伝えられないことが多くありました。そこで、中小企業・ベンチャー企業の立場で、考えを理解して行動する特許事務所を運営したいと考えました。
――起業前後で苦労したことは何ですか。またその苦労の解消法を教えてください。
起業前は、一番苦労したのは弁理士資格の取得です。起業後は、立ち上げ時の顧客獲得に苦労しました。苦労が「解消」したわけではなく、今でも顧客獲得に苦労して、努力しています。それでも、ホームページによる情報発信と、交流会における人脈作りで起業直後と比較して安定して顧客獲得できるようになりました。
――起業して良かったと思うことは何ですか。
自分の考えに従って行動することができ、成功した時は嬉しく、失敗した時でも納得して受け入れられることです。起業を考えている方に伝えたいのは、実現したいことに向かって行動するのですから、「苦労」があったとしても「苦痛」に感じることはないという私の感想です。
――特許事務所ということで起業にあたって注力した点は何ですか?また、具体的にはどのようなことですか?
特許事務所はどこでも同じサービス(特許出願など)をしています。独自に開発した商品を販売する場合と違い、自分の特長を顧客に理解していただくことに注力しました。
中小企業・ベンチャー企業の立場で行動するため、
(1)特許などの費用と効果についてていねいにご説明し、費用対効果の点でご納得いただくように努めること。
(2)迅速に対応し、「(例えば)特許出願したい」と考えた顧客が、待たされたという感じを持たずに、顧客のビジネス・スケジュールに合わせるように努めること。
この2点に注力しました。
金子先生は、とてもフットワークが軽いです。弊社がお客様を紹介した場合、すぐに連絡を取り、今日・明日中にお客様とお会いしています。ビジネスにおいて迅速な対応は大切です。