「“インタープレイ”とは、各パートが役割をまっとうしつつも、全体を見て調和しているというジャズの用語です。色々な人ともに仕事をしていく中でも、柔軟に情報を取り入れて橋渡しができる存在でありたい、という思い社名にこめています」
こう語るのは、法人向けに不動産と経営コンサルティングを手がけるインタープレイ(東京都中央区)の栄坂均社長だ。
栄坂社長は、裁量の幅が広くて色々な分野の商品を取り扱える総合商社に魅力を感じ、新卒で入社。日々の業務でさまざまな業界の人々に関わり、自然と人脈が広がっていったという。また自由な発言も飛び交う風通しの良い社内ということもあり、常識や考えにとらわれずに情報を吸収していった。
「専門性も大切ではありますが、決まった所だけを見ていると、違う動きを見逃してしまいがちです。この考えを現在の仕事にも生かしています」(栄坂社長)
そのほかにも、在職した34年間のうちの20年間、不動開発事業に従事。資産運用を検討する経営者や取締役と顔を合わせる事で、自然と経営への意識も高まっていったという。
そのうちに、栄坂社長は、当時の関係会社の社長や取締役に就任するほか、社外取締役として事業に参画することもあった。そして上場やコンプライアンス、採用活動も経験し、重役として経営に携わることができたのだ。
その後、定年を待たずに58歳で同社を設立したが、思わぬメリットも得られたと栄坂社長は話す。
「定年前に独立したので、私の先輩方はまだ退職をしていません。そのため、現役の方々が持つ、生きたビジネス情報を聞くことができるのです」(栄坂社長)
今後も経験や人脈など自らの財産を生かしつつも新たな事業を手がけていくという。