営業マン教育や販促支援を行うOHKマーケティングは、今年5月に登記されたばかりの会社。昨年まで民間企業に勤めていた本多宏哉社長は、「自分が楽しんで仕事をしたい」という理由から58歳で起業した。
女性下着メーカーに15年間勤めていた本多氏は、新商品のマーケティング調査や販促活動に携わり、後に大手メガネチェーンに転職。2006年、販促担当としてメガネ業界初となるYouTubeを使った動画広告で売上増加に貢献した。
当時からウェブ上の集客支援を事業として友人と起業することを考えていたが、独立を後押ししたのは、友人の紹介で出会った若手営業マンだ。独立志向が強い彼は、売上に悩む企業の課題解決をしたいと会社を辞めて訴えた。そして昨年夏、本多氏はその熱意に押される格恰で起業した。
「起業経験も、収入の保証もないから、失敗して借金のリスクもありました。しかし、サラリーマンの毎月一定の収入が2倍3倍に膨らむ可能性を取ったのです」
父親として家庭を支え、定年退職も控えていたタイミングでの突然の起業に、本多氏の妻は驚いた。しかし、「楽しく働く」を貫き、結婚後も度々転職していた本多氏に反対はせず、「娘も社会人になっているし、起業したいならやってみれば」と背中を押した。
未経験だった起業の手続きは、前職で親しかった経営者に相談した。税理士を紹介され、資金面の問題はなかったという。また、一時は手続きが簡易な合同会社での起業も考えたが、「企業からの信用度を高めたい」という理由から株式会社で登記した。
設立5ヶ月目を迎える本多氏は「沢山の仲間と楽しく働き、月曜日か待ち遠しくて仕方ない会社にするのが夢です」と話し、10年後に向けた企業規模の拡大を意気込んでいる。