アメリカのスーパーマーケットなどで30種類以上の乾燥野菜をバラ売りし、自分好みの味噌汁やスープを作ることができる商品を企画・開発するのが、ウエスタンファームズ合同会社の西田裕幸代表だ。
現在57歳の西田氏が起業を思い立ったのは今年のはじめ。もともと友人の誘いでアメリカに渡って和食店の料理人として働いていたが、両親の病気になったため日本へ帰国。それまでの収入源は一気に消えて窮地に立たされたが、在米中の体験をヒントに、起業を果たした。
アメリカでは日本と異なり、食べる人が自分の好みで具材を組み合わせるのが一般的で、例えばインスタントラーメンにヨーグルトやジュースを合わせるといったことが当たり前のように行われている。この光景に衝撃を受けた西田氏は、食べる人が自由に具材を選んでレシピを作れる商品を開発できないかと考えるようになる。そして帰国を機に事業化に踏み出した。
今年2月、偶然にも銀座セカンドライフの片桐社長のテレビ出演を目にした西田氏は、すぐに連絡を取った。片桐社長や同社スタッフのアドバイスを受け、簡易な手続きで設立可能な合同会社で起業することを決意。アメリカで思いついた商品アイデアを実現するため、食品メーカーへプレゼンテーションして回り、その結果、乾燥野菜は長野県の食品メーカー・アスダックフーズ、味噌汁の素は、青森県の食品メーカー・カネサ食品と連携することが決定した。7月中旬、西田氏は製品化にこぎつけ、アメリカへ出荷して現地での販売をスタートさせた。
「商品が流通し、売れるまでは厳しい状況が続きますが、需要はあるはずです。今後は小売店やレストラン、モーテルなどに流通させたいです」