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産経新聞・片桐実央の起業相談

【片桐実央の起業相談】リスクを減らし事業継続を

 「どんな業種で起業すると成功しやすいのですか」「起業で失敗しない方法を教えてください」-。起業に関するセミナーや個別相談のとき、こうした質問をしばしば受けます。回答するのは非常に難しいですが、あえて言うならば、リスクを減らすことが事業の継続につながります。では、どのようにリスクを減らせばいいのでしょうか。


 (1)在庫を持たない


 物販を行う場合、仕入れをして在庫を抱えるわけですが、一定の資金が必要となりますし、売れない場合のリスクがあります。在庫を持つとしても、売り先が決まってから仕入れたり、そもそも仕入れはせずに売り先と買い先を仲介して手数料を得たりする取引形態もあります。極力在庫を持たないようにするのがポイントの一つです。


 (2)固定費かけない


 事業を行う上で毎月かかる経費が多いと、売り上げがなくても払っていかなければならないため、事業が安定しません。創業当初は、売り上げがなかなか伸びなくても事業が維持できるように、経費の負担をなるべく抑えましょう。


 (3)初期投資少なめ


 事業にもよりますが、最初にかかる投資額が少なければ少ないほど、事業の軌道修正をしやすくなります。顧客の反応を見て手応えを感じたら投資しましょう。事業は小さく始めて徐々に広げていくべきです。


 この3つのポイントが起業が失敗するリスクの低減につながります。しかし、そもそも前提として成功しやすい事業を選んでいただくのがベスト。今回は3つお話ししましょう。


 ◆経験を生かして


 今までの経験を生かして起業すると成功する確率が高いといわれています。経験というのは、仕事上の経験もありますが、それ以外でも資格取得や趣味などで勉強してきたことも含まれます。経験があることで起業すると、どのようにして顧客を獲得するのか、商品・サービスの提供方法も勝手が分かるので、軌道に乗りやすくなります。


 ◆時流を意識する


 世の中の流れを見極め、つかむように事業を考えると成功しやすいでしょう。時流とは例えば、最近では「インバウンド(訪日外国人客)」や「働き方改革」「クラウドサービス」「東京五輪・パラリンピック」などのキーワードが挙げられます。時流を意識した事業展開や商品・サービス開発をすることで、メディアに取り上げられ、注目を集めやすくなります。


 ◆社会課題の解決


 事業を考える上で、社会的な課題を解決する点を盛り込むと事業が伸びやすくなります。自分のために行うビジネスではなく、世の中の人のために行う事業の方が、共感してくれる人が増え、口コミで広がります。また行政の助成金やビジネスプランコンテストでも採択されやすくなるので、ビジネスプランを考える上で意識しましょう。

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