この連載では定年起業への挑戦についてお話ししていますが、起業ではなくて、ボランティアなどで社会参加していきたいと思う人もいるのではないでしょうか? しかし、不慣れな作業より、自分が得意とする仕事分野で社会貢献ができれば、なおいいですよね。
今、『プロボノ』という新しいボランティア参加のスタイルが注目されています。社会貢献に取り組む各地のNPO団体では、プロジェクトを実施するときにはさまざまな仕事が発生するようです。たとえばポスターを作る、Webサイトを立ち上げる、調査を実施する、業務分析を行うなど、みなさんが会社生活で培ったスキルが社会貢献活動に必要とされているのです。
プロボノは、自分のビジネススキルを社会貢献に活用してもらおうという活動スタイルです。定年後だけでなく、会社に勤めるかたわら従事している人もいますし、会社自体がプロボノ参加を積極的に行っていることもあります。ただし、ボランティアですので、副業にはなりません。でも、自分の仕事経験がどう役立つのか再確認できますし、職場以外のネットワークを醸成できる場になるでしょう。
定年起業については、まったく知らない世界で新しいことをはじめるより、自分のビジネススキルや培ってきたネットワークを活用した方がいいといつもアドバイスしています。プロボノに参加するのも、定年後の働き方を考えるのに貴重な機会となるのではないでしょうか?
また、活動の中で知り合った人たちや機会が定年後の仕事のヒントを与えてくれる可能性もありますし、定年起業にチャレンジしたい人には、自分のスキルの棚卸しと予行練習になるかもしれませんね。(取材・構成:藤木俊明)