立石一夫さん(58)は、国内有数のインテリアメーカーに勤務し、好待遇を得ていましたが、単身赴任などストレスがたまることが多く、47歳の時に辞表を出します。
「単身赴任が続き、次は海外に行ってくれという話が出たときに思い切りました」(立石さん)
在職中にドイツの掃除機メーカーを知り、自腹で買って布団に使ってみたところ家族がビックリしたそうです。それが起業の伏線でした。旅館・ホテルの寝具のハウスダスト除去事業に目をつけた立石さんは、株式会社旅館ホテルクリーン(http://www.rh-clean.com/)を設立します。
「どんな高級な寝具も手入れしなかったら不衛生です」
地元別府の温泉旅館やホテルに立石さんの提唱する『クリーンライブ方式』が採用されていきます。これは布団を加熱してから、加熱でほぐれた寝具を特殊なクリーナーで吸引してハウスダストを除去し、除菌消臭し、最後に取れたハウスダストをお客さまに確認していただくという流れです。
この『クリーンライブ方式』は第12回大分県ビジネスグランプリ優秀賞に選出されました。
「外国からのお客さまも増えています。寝具の清潔さは大きな訴求ポイントではないでしょうか」
そんな立石さんも起業して最初の1年はつらかったそうです。3年目ぐらいから手応えを感じたそう。
「老舗旅館のおかみさんに“お客さんから褒められたわ”と言われたときはうれしかったですね」
立石さんの方式は今後、個人宅にも展開し、代理店も募集しています。シニアももちろん歓迎だそうです。 (取材・構成:藤木俊明)